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映画『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』

  • 執筆者の写真: Kameda Risa
    Kameda Risa
  • 5月9日
  • 読了時間: 2分

5月は大変だ。


観たいものが多すぎる。


5/9に公開映画で観たい映画が重なった。


5/30『マリリン・モンロー 私の愛しかた』一択ではあるけど、フランソワ・オゾン監督の最新作も公開なんかい。


困った5月だこと。




観たいものが重なったものの、

9日公開映画は『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』へ。


ケイト・ウィンスレット主演!


今だに代表作として名前の側に『タイタニック』が添えられるのは、果たしてどうなん?(何年前なん)、と思いつつ。

日本の宣伝だけなのかしら。



『タイタニック』で醸し出していたヴィーナスのような多幸感は、凛々しく、逞しく輝いた姿へ。


リーとウィンスレットが、とても重なる。

きっと撮影中も、本人が1番感じていたかもしれない。


でも、重なるからといって憑依した、という感じでもなくて。

ケイト・ウィンスレットだから成せる驚異的な説得力に、思う存分ひれ伏した。



「不幸は女に訪れる」

「傷といっても見えるものだけじゃない」



ホロコーストを目の当たりにし、

戦争の前線に立ち、

隠され蓋をされていた現実を知った彼女。


自分も何かせねば/したい、とさせる欲求の強さに痺れ、こういった女性が過去に戦っていてくれたから現代に繋がっているのだな、と。


しごでき夫もあって、大好きな『ビリーブ 未来への大逆転』を思い出したり。

良き伴侶はよく気がつくこと。


ただ、リーの場合は、誰にでも、どこでも起こりうる悲劇、それも表に出ない出来事と向き合った。


最後に語る、彼女が蓋をし続けた過去の話によって、これまでの写真はやはりリー・ミラーでなければ撮れなかったのだと。

痛みと伴い目頭を熱くさせられながら締められた。



今作を象徴するヒトラー宅の浴室での撮影の瞬間は、こちらまで変にテンションが上がった。

凄まじい緊張と背徳感に、笑けてしまうのだから。

人間って不思議ね。




隠し通しておきたい降りかかった悲劇を、わざわざ誰に公表する必要なんてないかもしれない。


それでも自分の使命感に押されながら、向き合い続けた彼女に夢中になった116分だった。

素敵だった。



もう1度観返すと、きっと見える景色が変わってくるだろうな。

“彼女の瞳”の内実を知ってしまった上でだから。




劇場でもらった、リー愛用のカメラのステッカー。


パチン、パチン、と鳴るシャッター音が耳に残る。




映画『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』




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